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2004/08/12

テレビ電話を放置プレイにしないで(2)

さて、前回の続きです。

前回、「テレビ電話利用促進の具体案」などと大上段に書いてしまったが、実際、そんなにコ難しい話をしようというわけじゃない。
シンプルにただ、以下の2点を、すぐに実行してもらいたいだけなのだ。

◎movaにあるサービス2つをテレビ電話でも

(1)movaにある「フリーナンバーをFOMAのテレビ電話でも使えるようにしてほしい。
(2)movaにあるナンバープラスをFOMAのテレビ電話でも使えるようにしてほしい。

ただこれだけだ。
世間ではあまり認識されていないが、第三世代であるFOMAでも、第二世代のmovaにはあっても、いまだにFOMAにないサービスは実は結構ある。
movaでは盛んに活用されている「メッセージフリー」なども、FOMAで開始になったのはサービス開始から2年近く経ってからだったし、以前にも少し触れたように、通話終了時の「電話料金もめやす表示」も、FOMAでは依然として適用対象外だ。

そして、movaにはある上記二つのサービスも、FOMAではいまだにサポートされていない。
だが、こうしたサービスは、movaよりも、FOMAのテレビ電話でこそ、より重要になってくると思うのだ。

テレビ電話がなかなか一般的に認知・普及しないのは、「テレビ電話をする」という行為が、今までの人間に全くなかった習慣であることが大きいと思う。このあたりは、そのまま放置しておいても、なかなか人の習慣を変えるのは難しい。
ならばここは、一般の事業者が、テレビ電話を使って、利用者にとって明快なメリットのあるサービスを提供することからはじめたらいいと思う。
このあたり、iモードのように、あくまでコンシューマ向けサービスから始まったものとは考え方としては「逆」だが、上記の二つは、ドコモ以外の一般の事業者が、テレビ電話を活用したサービスを提供する上では、必要不可欠な仕組みだと思う。

上記の二つだけでも、テレビ電話で適用可能になることで、恐らくかなりのサービスイメージが形成可能だろう。
フリーナンバーを適用すれば、高額なカウンセリングサービスやユーザーサポートなどを、ひとまずは企業側の負担とすることで、コスト全部を利用者に対して徴収する形も適用可能になるからだ。

ここで重要なのは、テレビ電話をかける方は、あくまで「お客さま」であり、自分自身の画像を相手に見せる必要などはまったくないということだ。あくまで、「サービス」として、店の人間だけがお客さまに画像を見せればいいのだと思う。 「キャラ電」でも、そうした考え方の片鱗は垣間見えるものの、「テレビ電話はあくまで双方向」という、常識形成以前の「思い込み」が、そのままテレビ電話に対する「偏見」として定着してしまわないよう配慮することが大切だと思う。 いっそのことテレビ電話では、画像表示はデフォルトでは「オフ」として、「準備ができたら××ボタンで画像送信!」などと画面に表示する仕組みを適用してみたらどうだろう。 今のテレビ電話は、通話がはじまるときの緊張感とかストレスが、実は一番大きい。相手の画像を見るのはともかく、自分の画像を見せるには、ある種の『身だしなみ』と『心の準備』が必要なのだから、実際と通話と、画像表示との間には、ユーザーが選択できる、多少のタイグラグが必要だと思うのだが。

◎高付加価値なサービスとしてのテレビ電話
以前、伊勢丹の外商部では、顧客が自宅に居ながらにしてFOMAのテレビ電話で店舗の商品を確認し、購入ができるサービスというのをやっていた。
ちなみにデパートの外商部とは、年間の購入額が大体500~600万円を超えるような「上客」のみに、電話一本で商品を自宅まで届けるという、昔ながらのいわゆる「御用聞き」サービスだ。

こうしたサービスこそテレビ電話の本領発揮だと思うが、客からすれば、高額なテレビ電話料金を自己負担するのでは抵抗もあるだろう。かと言って、お客さんに「ワン切りしてくれ」など頼むのも、なんだか筋違いだ。
やっぱり、こういう場合は、フリーナンバーがあれば、もっとスムースに対応できるはずなのだが。

伊勢丹が以前にテレビ電話でやった試みは、当時のFOMAの普及台数からすると、「時期尚早」だった感も否めないが、すでにFOMAの契約台数は近々600万台にも達しようとしう勢いだ。明確なデータこそないが、ドコモユーザーが、他キャリアのユーザーに比べ、可処分所得、年齢とも比較的高いだろうことを考慮すれば、こうした利用イメージはもっと促進させられるべきだと思う。

◎「テレビ電話番号」と「電話番号」が、同じで良いはずがない。
下記の画面コピーを見てもらいたい。これは僕が以前FOMAdeTVの前身だった「FOMA日記」というサイトで書いた図なのだが、それから2年以上が経過した現在でも、この考えは現在でも依然として変わっていない。
videophone.jpg

「通常の電話番号とテレビ電話の番号が同じ」ということは、そもそも、社会生活における人間関係のデリケートさに対する配慮が全然欠如していると思うのだ。たとえば、嫌な取引先や嫌いな上司と、誰が好き好んでテレビ電話をしようと考えるだろうか?

これは以前、僕がやっているFOMA情報サイトで出た話だが、不動産屋さんが、外回りの営業マンに物件を実況中継させたり、あるいは、不動産屋に法的に義務付けられている「重要事項説明書」(僕の知識に間違いなければ、この説明ができるのは宅建主任の資格保持者のみと定められている)を、本店から支店のお客さんに行うなど、純粋に「ビジネスライク」な用途には確かにテレビ電話は一定の効果があると思う。

ただし、電話というものは、本来もともとの実用性から発展して、「おしゃべり自体を楽しむ」という、いわば「手段の目的化」が起こることで、文化としてトラフィックを増大させてきたという経緯がある。
純粋な「実用本位」というフェーズからはじまり、その次には、「楽しむためのテレビ電話」というフェーズに進んでいくのが自然なのだと思う。
ところが、ドコモが訴求するのは、主として、このセカンドフェーズの部分のみだ。
それでは順序が逆だろうと思うのは僕だけではないのじゃないだろうか。

いっそのことテレビ電話機能は、iモードのように端末に搭載はしても、ユーザーが使うか使わないか選択できる「オプション」としてみたらどうかとすら思う。その上で月額300円ほどの基本料金オプションとし、その代わり料金は少し下げる。同時に、テレビ電話オプション選択時は、自動的に「テレビ電話専用のナンバープラス」として、もう一つの電話番号を付与するようにするなどすれば、もう少し利用イメージがユーザーにも想像しやすくなるのじゃないだろうか。

「メールアドレスなら気軽に教えるが、ケータイの番号は気軽に教えない」というのは、もはや社会的ビヘイビアーとしてもすっかり「常識」になっている。
テレビ電話は、電話よりもリッチ、かつプライベートなコミュニケーションである以上、通常の電話と同じ扱いであっていいはずはないと思う。ユーザーがもっと気軽にテレビ電話の番号を公衆に晒すことのできる仕掛けをした上で、何か問題があったら、そのセカンド番号は、すぐに廃止あるいは変更が可能な仕組みとするといいと思う。

とりあえず、僕が現時点で言いたいことは上記の二つだ
今のテレビ電話は、とにかく64Kデータ通信という「プロトコル」が、利用イメージを勝手に規定してしまっている部分も少なくないと思う。
だがせめて、「一方はテレビ電話、他方は画像を見せずに普通の電話」という非対称な接続の仕組みだけは必須だと思うのだ。まずは「テレビ電話は双方向でなければ」という思い込みをユーザーに持たせないことが大切だと思うのだが。
これはいずれ、テレビ電話の料金が音声通話料金と同額になれば、自然と意識されなくなる問題なのかもしれない。

現状の、「64k回線交換データ通信」に縛られているテレビ電話の仕組みそのものに対しては、また時期を改めて書いてみたいと思う。しかし、これだけは声を大にして言いたいのは、テレビ電話のような優れた仕組みを、このまま放置して死蔵させてしまうことだけは避けてほしい。
テレビ電話は、コミュニケーションの革新であることは間違いない。それは、「おさいふケータイ」などよりも、もっともっと大きく社会の仕組みを変えるのだから、ドコモには頑張ってほしいと思う。

P.S.
ドコモの公式のコメントによれば、「movaで行っているサービスは、いずれはFOMAでも全て適用可能にする」ということだ。だから、上記の意見も、いずれはFOMAでも適用されるということなのだろう。
しかし、FOMAのテレビ電話に対する上記の重要性を認識して、早期に実現してほしいと思う。

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