霊感ゼロ男のつぶやき
先日、深夜にTVを見ていたら、自らを“霊能力師”と称する人びとがゾロゾロと出てきて、互いにどれだけ霊能力かないかなどと論争し合うという(ときには罵り合ったりもする)、実に実にくだらなーい番組を放映していた。
とは言え、僕はこういうしょーむない番組って割とキライじゃない。
「くだらねぇなぁ」とチャンネルを変える前に、思わずそれらの人をじっと観察してしまう。もう何年も、いや有史以来連綿と、このテの「常人に見えないものが見えてしまう人」のネタ話は続いているわけだが、こうした胡散臭いコンテンツが、何故いまだに消えてなくならないのだろう?とつくづく考え込んでしまうのだ。
いまや最先端であるはずのケータイコンテンツですら、こうした「霊感関係ネタ」はしっかりと継承されている。いや、継承されているどころか、むしろケータイコンテンツのメインストリームに近いところにあるとすらいえる。
どこの会社かはあえて伏せるが、れっきとした公式コンテンツにすら、「霊界なんちゃら通信」みたいなネタは案外多いのだ。
そこまで行かずとも(これも敢えて名は伏せるが)、「ケータイで缶ジュースが買える」などという超ハイテク自販機で、「愛する人と必ず上手く行くおまじない」などと「断言」するおみくじ(実は単なるプリントアウトの紙切れ)を大枚金80円也で配信するような会社(しかも、れっきとした商社系の上場企業だ)まであるというのだから、開いた口がふさがらない。
純真な少年少女から、こんな怪しげなコンテンツで小銭を巻き上げる以外、もっと外にやることはないのか?とそれらの会社には言いたくなる。
◎統合失調症は、「120人に1人」の割合で存在する。
ここで、あるデータを提示しておこう。
ヒットした映画「ビューティフルマインド」で、すっかり有名(?)になった、統合失調症という病気についてだ。
かつて精神分裂症と呼ばれ、差別的呼称ということで、最近になって「統合失調症」と改名されたこの病気、実は、かなりありふれた病気だということをご存知だろうか?
幻覚、幻聴、妄想などが統合失調症の主たる症状だが、この病気、おおむねどの民族、どの時代でも、人口の120人に1人ぐらいの割合で存在するそうだ。つまり、日本だと潜在的な統合失調症患者は、おおむね100万人は存在していることになる。
(以前、このblogを開く前に、自分のHPで、「統合失調症は1200人に1人」と書いてしまったが、それは僕のカン違いだった。実際は、その10倍の比率で存在するらしい)
現実に、この病気のために入院している患者さんがどの程度いるのかは知らないが、まさか100万人もの人が全員世間から隔離されて暮らしているわけではないだろう。となれば、世間にはかなりな程度、他人には見えないモノが見えたり、声が聴こえたりしている状態のままに、日常生活を送っている人がいるということになる。
さらに言うと、統合失調症の顕著な症例としては、「本人に病識がない」というのもあるそうだ。
つまり、「自分が病気であるという自覚がない」ということなわけだが、確かに、「自分には霊感がある」と自称する人には、いくら「霊なんてないさ」と他人が言ったところで、まず絶対に説得はできないというところも、まるで統合失調症の症例そのものではないか。
個人的には、ちょっと前に問題になった、例の「クローン携帯」なども、単なる都市伝説というより、かなりの程度、統合失調症患者による妄想なのではないかと思うことがある。
もちろん、クローン携帯のような話は、100%否定する傍証を挙げることも難しいわけだが、実際、統合失調症に該当する人がこれだけ多くいると(ちなみに「120分の1」という比率は、喘息患者よりも高い比率なのだそうだ)その全てとは断言できないまでも、恐らくその大半は単なる妄想ではないかと思うのだ。
もちろん、これだけ高率で存在する統合失調症患者だから、世の有名人にも該当する人はかなり多い。「ビューティフルマインド」のモデルとなった数学者のJ・ナッシュは勿論、あのデヴィッド・ボウイなども、自らが統合失調症だということを認めているそうだ。外にもエジソン、アインシュタイン、ニーチェなど、現在ではそうなのではないかと考えられている歴史上の偉人は相当に多い。
断っておくが、このBlogで統合失調症の人びとを差別したり貶めたりするような意図などは一切ない。
しかし、世間のマスメディア、そしてケータイコンテンツまでが、こうした妄想に基づいているとしか思えない霊感だの占いだのを、依然として集客しやすい人気コンテンツとして扱っている状況には、一種の卑怯さを感じないでもない。
実際に試したことはまだないが、こうした話を、記事企画・あるいはコラムとして出版社に持ち込んだら、ちゃんと雑誌に掲載してもらえるだろうか? 多分、いわゆる「マトモな」メディアであると自認する媒体であればあるほど難しいだろう。
それでなくとも民放TV局などは、精神病院の内幕を描いたジャック・ニコルソン主演の名作映画「カッコーの巣の下で」などは、一度も放映したことがないのだから、「自称霊能力者は統合失調症患者である疑いが濃い」などという正論(と僕には思える)など、絶対に口にできるはずもなかろう。
昨今の日本では、アメリカ並みのPC概念(「Politically Correct」の略)がはびこっており、社会的マイノリティや弱者に対する扱いは、まるで腫れ物に触るかのようである。数年前、民放TV局関係者に訊いて呆れた話だが、民放TV局には、そもそも「放送禁止用語」という概念もないのだそうだ。
なぜなら、「放送を禁止している言葉がある」ということ、それ自体が差別的だとみなされるからだそうで、それでいて「オマ●コ」やら「キ●ガイ」やらという言葉は、決してテレビから流れてくることはないし、サンデージャパンで田原総一郎が、「バカでもチ●ンでも」と口走れば、アナウンサーは慌てて「ただいまの不適切な表現お詫びします云々」とやるではないか。
歴然と存在しているものを、さも存在していないかのように振舞うなんて、まるで北朝鮮と同じじゃないか。
‥などと僕ごときが何をわめこうが、今日も「夏の霊感スポット特集」は、テレビでそしてケータイで、毎日流され続けていくのだろう。
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