着うたに競争原理導入は歓迎だが(2)
下記では、ちょっとややこしい話をしすぎてしまったので、続きはいたって実際的な話を。
最近、ドコモの「F900ic」、auの「W21S」という、着うた対応の端末を立て続けに手に入れたせいもあり、着うたデータを実際にダウンロードする機会がかなりあった。(ちなみにVodafoneもVGSのV801SA所有なので、僕の携帯電話は3キャリアとも着うた対応である)
僕自身は、いくら頑張っても原曲とは似ても似つかないピコピコ音な着メロなどには、誰が何と言おうと何の興味もないが、生来音楽好きなこともあり、着うたについては案外、自分でもダウンロードして楽しんでいるクチだったりする。
さすがに着うたのDL総数で7割のシェアだけあり、レーベルモバイルの「レコ直」と「絶対洋楽」でダウンロードすることも多いのだが、「1曲105円」という料金の是非はともかく、このレーベルモバイルのサービスには大いに不満があるのだ。
まずは、「試聴」が一切できないところが気に入らない。
今のところ、着うたはせいぜい30秒ほどのミュージッククリップだから、たとい好きなアーティスト、好きな曲であっても、曲のどの部分をクリップしているのか、ダウンロードする前に知るすべがほとんどない。
人気のある曲や、印象的なフレーズが複数箇所ある曲などについては、着メロ同様に着うたでも、(イントロ部分)とか(サブ部分)とか、複数の部位データを用意してテキストで説明してある部分もある。
しかし、こればかりは落としてみないと実際の編集の細かい部分まではわからない。実際、105円を払ってダウンロードしてから、「何かイマイチだな」と後悔することが少なくないのだ。
さらに言うと、曲の特定箇所のクリッピング自体、あまりにも安直に行われていると感じる。
実際、数千曲以上もの曲を聴いて特定の部分だけを抜き出してカットし、着うたデータにするという作業をしているのだろうから、どうしても編集が安易になるのは仕方がないのかもしれないが、ダウンロードしてから、「えーーっ、どうしてこんな場所をクリップしちゃったの?」と嘆きたくなるような場合がとても多いのだ。
客の立場からすれば、好きな曲だからこそカネを払ってダウンロードするのであって、曲への思い入れや拘りは当然強いものがある。
だが、曲を編集して着うたデータ落とすという作業をする担当者が、こちらと同様の思い入れを持ってくれているのかどうかはかなり疑わしいと思う。
実際、今現在、僕の携帯電話に収められている着うたデータで説明すると、ダウンロードした着うたデータの半数近くが、編集が雑だと思う。
Bonnie Pinkの「Heaven's Kitchen」、アラニス・モリセットの「You Ought to Know」などは、歌詞の途中からいきなり入ってくるので、電話やメールのリングトーンとしてもまったくふさわしい編集とはいえない。サザンオールスターの「フリフリ’65」などは、歌の最初に入る前に半拍ほどイントロの小節のお尻が残ってしまっており、毎回聴くたびに気になって仕方がない。明らかに編集が雑に行われている。
そのほか、The Style Counsilの「My Ever Changing Move」などは、「どうしてそこをクリップするかな~~~!」と編集担当者を小一時間は問い詰めたくなるような部位がデータになっている。どう考えても、この曲だったら、Aメロかサビしかないだろう~~~がるるる。。。さらに、Nirvanaの「Come as you are」は、歌よりも、むしろイントロの印象的なギターのリフ&サウンドの部分をこそ着うたにすべきだったんじゃないのか。etc,etc...
ダウンロードしたのが好きな曲であればあるほど、こうした雑な扱いにはストレスが溜まる。
とは言え、結局曲の好みというのは人によって千差万別であり、フルコーラスを聴けるのでない限りは、どんなに完璧なクリッピングを施したところで、万人の好みに応じられるものないことは僕も重々承知している。
だが、それだからこそ着うたは、複数の事業者が異なるアプローチで異なるデータを用意してほしいと思う。そして、レーベルモバイル以外の他の着うた事業者は、値段が比較安価なだけでなく、無料の試聴機能なども用意してダウンロードする前に音源を確認できるところも増えてきた。
こういう競争原理がもっと働いてほしいと思うのだ。
しかしながら、音楽というのは、工業製品と違ってAが高いからBにするなどというわけにはいかない。「“JimiHendrix”が聴けないから“ギター侍”でガマンする」などということはありえないのだ。Charの「Water Bussiness」の着うたを手に入れるためには、現状では、どうしてもレーベルモバイルのサイトでダウンロードするしかないのであって、好きな曲をわくわくしてダウンロードしてみたら、ヘンテコな編集がされていたのでは、つくづく「うがーー!独占禁止法違反でタイホされちまえ!」とばかりに怒髪天を突きそうになる。
「1曲のうち、もっともオイシイ部分をクリッピングする」という点で、着うたの編集というのは、すでに携帯電話におけるDJ的な存在を占めていると思う。ならば、そのクリッピングセンスにも個性と多様性を求めたい。
そのためには、もっと複数事業者による多様なサイトがあって欲しい、と思うのが消費者としての偽らざる心境だ。
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