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2004/09/06

ソフトバンクBB主要新聞に全面広告

先週の土曜、ソフトバンクBBは、Yahoo!BBとODNのユーザーにメールを配信し、総務省へのパブリックコメントを月曜日の〆切までに出すよう異例の呼びかけを行った。>ITmediaによる関連記事

パブリックコメントの提出最終期限となる本日9月6日には、今度は主要全国新聞に全面広告を出して、同様の呼びかけを行っているようだ。僕が確認した限りでは、読売、朝日、産経に掲載されており(毎日、東京新聞は未確認)、日経新聞には出ていない。
softbank.jpg

この広告に出ている資料だが、世界の主要キャリアに比較し、日本の携帯キャリアが、特に料金が高いことをグラフで示している。
確かに表を見ると、ドコモのみならず、KDDI、Vodafone(日本)も、他国に比べてすべて支払料金が高い。


◎意見広告のグラフの数値はおかしい
この数値を見た瞬間気になったのは、「この数値は、日本以外の諸外国ではまだほとんど立ち上がっていない、データ通信の料金についても計算に入っているのか?」ということだった。
そこで一応、ドコモの決算資料を基に、この数字の確認してみた。

意見広告のグラフによると、ドコモの年間利用料金平均は94,689円、KDDI同数値89,280円、Vodafone同数値が80,740となっており、他国主要キャリアではもっとも多い米VerizonWirelessですら、年額は66,776円とだいぶ少ない。
ドコモの決算発表によると、2003年度通期のFOMAとmova両方の、通話料金とパケット通信を合計した平均ARPUは月額で7,890円なので、確かに、この数字を12倍すると、ソフトバンクBBの広告の記述とピタリと一致する。
やっぱり、この意見広告の表では、現状ではほとんど「日本だけ」であるデータ通信の料金も算入されているのだ。
要するにこの数値は、日本特有の「モバイルデータ通信の需要の存在」という事実が、半ば意図的に隠されたものとなっており、詳しいことを知らない新聞の読者に向けての「情報操作の意図」が濃厚に感じられる。

ただし、上記ようなソフトバンクBBによる「情報操作まがい」を差し引いて考えても、日本の主要キャリアが主張するところの、「日本のケータイは諸外国より安い」という主張が本当に正しいかどうかは議論の余地がある。

日本以外の諸外国では、プリペイド型携帯電話のシェアが高い国も多いため、単純に料金の比較をすることはかなり困難だ。欧州では特にプリペイド率が高く、フランスもドイツも英国もイタリアも、加入者の過半数は実はプリペイド携帯だったりする。そのため、キャリア側も、プリペイドでは通話時間に応じた料金として参入されない基本料金の部分はプリペイドでは低く抑えざるを得ず、結果として利用者のARPUは低くなっているというのが実態に近い。

また、各国キャリアの料金統計は、料金体系の異なるプリペイド携帯と、通常のポストペイド携帯では別枠で統計を取っている会社も少なくない。国内のキャリアが諸外国との料金を比較する場合、概して料金が割高となるポストペイド型のARPUのみと比較しているケースも少なくない。

いずれにせよ、このソフトバンクBBが意見広告で出した数値は、今後数多くの専門家たちからツッコミを受けることは間違いないだろう。(というか指摘しなかったら、それこそプロとして怠慢である)テレコムビジネスは国によって事情が大きく異なるので、比較して論じることは非常に難しいのだ。
(たとえば米国や中国では、電話料金は発信者のみならず「受信者も料金負担」となるので、「1トラフィック当たりのコスト」という観点から見たら、意見広告に出ている数値よりも、もっとずっと高額になることは間違いない)

◎いち消費者としては800MHz帯は歓迎だが
だが、いずれにせよ、確かにソフトバンクBBの主張は一理も二理もあるとは思う。そもそも800Mhz帯は、CDMA2000方式で、韓国との混信問題なども過去に取り沙汰されており、本当に今後も携帯電話が使い続けていいのかどうかは微妙なところだ。

さらに総務省からすれば、ソフトバンクは過去にもYahoo!BBでサービス開始が遅れるはサポートで苦情は殺到するわ、情報漏えいはしでかすわで、なるべくは免許を与えたくないと考えているのも事実だろう。いずれにせよ800MHz帯の免許が、従来通りドコモとKDDIにのみ付与されたら孫氏はすかざす行政訴訟を起こすだろうし、その時点で、ソフトバンクグループが、いったいどのようにして携帯電話事業に参入しようとしているのか、その青写真も現在よりは詳細に語られることになるのだろう。

ここから先は憶測するしかないが、800Mhz帯を使い続けたいという要求の裏には、ドコモ、KDDIともにある種利害が共通する部分もあるのだろうと思う。KDDIはなるべく今のままで電波問題に煩わされることなくドコモと競争をしたいだろうし、ドコモにしてみれば、FOMAの使う2GHz帯は、携帯電話として使うにはどうしようもなく不利であることを半ば公に認めてしまっている。

実際、FOMAびいきのユーザーたちだって、やっぱり通信の不安定さや屋内の電波の悪さには不満が多いのだから、消費者の観点からすれば、FOMAを800MHz帯でやってほしいと思っていることは間違いないだろう。
来年以降と言われるFOMAの次モデル「901i」では、2GHZ/800MHzがデュアルバンド化されるとのことだが、その内訳は、人口カバー率上不利な過疎地で800MHz帯を使い、都市部では依然として2GHzを使い続けるのだという。

実際ユーザーの立場で使ってみれば、2GHzが不利だという事実は、別に都市でも過疎地でもほとんど関係ない。IMT-2000の決定だから致し方なかったとは言え、2GHz帯で3Gサービスをやってしまったことは、ドコモにとっては今後10年間は「遺恨」となるだろうなぁ。

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