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2005/06/04

ブログの匿名論争について思うこと(2)

さて、前回(1)の続きです。

前回、ブログの匿名論争に関して、「“匿名か実名か?”という区分けは、表層的に過ぎる」と書きました。
たとえば、極めて悪質なブログ~著作権侵害や他者への誹謗中傷も平気、極めて違法性の高い、欲望全開のブログ~を書き飛ばしている人というのは、実社会において自分が演じている役割か、それともブログでの自分か、どちらをより「自分らしい」と感じているでしょうか?

少なくともブログは、2ちゃんねるのように個体識別もほとんどできない全くの匿名とは違い、ある程度の継続的なパーソナリティ(つまり、アイデンティティ的なるもの)は存在しているわけですから、前記のようなブログをやっている人にとっては、それを「匿名」と言われたらむしろ心外だと感じる人も多いのじゃないでしょうか?
少なくとも彼(彼女)にとっては、そうしたブログの方が、現実の自分よりも、はるかに「本来の自分」なのですから。

以前に大前研一氏の著作を読んでいたら、世の多くのビジネスマンに対して、「職場では自分の意見を述べず黙ったままなのに、会社帰りの居酒屋になると饒舌になって、実に立派な意見を開陳する人がなんと多いことか」と嘆いていて、「確かになぁ」と思ったものです。

僕はいわゆる、「会社の同僚や先輩に自分のブログを隠している人」とか「ネット弁慶な人」というのも、多くがそういうタイプの人なのじゃないかと思います。
(いや、そこまで言ったら気の毒かな?世の中には自らの職業やら専門分野には関係ない、趣味のブログをやられている方も多数いますしね)

だから、ブログがあろうがなかろうが、そういうタイプの人が世の中に多数存在している以上、数の増大が質の低下を招くのは仕方のないことじゃないのかと。
それがどうしてもイヤだというなら、国際条約でも作ってインターネット全体を匿名禁止にするしかない。

ちなみに、僕が自分のブログを「原則コメント不可」に設定しているのもそうした理由からです。コメントは捨てハンで書き逃げできたり、固体識別もできないのに対して、トラックバックは、相手のブログを見ることで「継続的に演じられているパーソナリティ」を判断できますからね。

◎ブログは、「良質な意見交換の場」から、「謀略ツール」になってしまった。

ただし、かくいう僕でも、やはり今の現状を捨て置けないと思うのは、少なくとも目下のところ、ブログが検索エンジンへのSEO上、極めて有利に働くという特性です。
Googleなども、ページランクを決めるアルゴリズムがブログ有利に働きすぎてしまう仕組みを是正すべく検討されているという話らしいですが、少なくとも今のところそうなってはいません。「テキスト主体」「1ファイル1テーマ(1エントリー)」「更新頻度の高さ」「トラックバックによる被リンク率のアップ」などなどは判定してくれても、「ブログの内容」やら「使われている画像の著作権がクリアなものかどうか?」まで判断してくれるわけではないからです。すでに1年ほど前からブログは、エロ系アフェリエイトで小遣い稼ぎをしようとする者にとって、シロートでもできる強力なSEO対応手段になっていました。

実際、昨年秋、FOMAの901iシリーズが発表になる直前まで、「FOMA901i(間にスペースを入れない)」でGoogleを検索すると、実に、僕のこの「三田隆治’sBlog(旧名です)」が検索結果の冒頭に出て、我ながら驚いたことがありました。
そのとき、さすがに「これはちょっとまずいのではないか」と思いましたね。こんな仕組みを誰もが無料で使えるということは、誰もが、特定の企業や個人を悪意で貶めることも簡単にできてしまうわけです。そしてますます、「自らの発言に責任を持つよう注意しなくては!」と思うようになりました。

以前、FOMAの情報サイトをやっていたとき、そこの匿名掲示板で、「FOMAの電波が悪いことを名言しないオマエは卑怯者だ」というようなことを言われたことがあります。(笑) 僕も確かにFOMAの電波は悪いと常々思っていますが、少なくともそのたぐいの極めて重大な事項を、十分な調査や検証もできない状態で私が明言したり、このブログで大書喧伝することが、どんなに無責任な所業であるかは、考えてもらえればわかってもらえるのじゃないでしょうか。

いずれにせよ、グレシャムの法則「悪貨は良貨を駆逐する」の例えのままに、日本のブログがダメになっているというならば、それは他ならぬ日本人それ自体がダメになっている証左なのじゃないでしょうか。

◎それでも情報発信は続けていきたい、と思う

というわけで、一時期はすっかり不信感を抱いてしまったブログに再び戻ってきたのは、やはり上記のような問題を抱えているにせよ、それでもこのブログが僕にとってもっとも大切な場所であるからに他なりません。
タイトルを「ケータイAlternative」としているように、もとより僕は、自分の視点やオピニオンを、日本のケータイユーザーのマジョリティであるとは考えておりません。
だがしかし、PCインターネットに比べて、日本のケータイ業界が、ケータイユーザーにより多くの不利益をもたらしていると思われる部分については、まだまだ十分に検証されていないと思っています。
ドコモがいいかそれともauかボーダフォンかなんてことよりも、どの会社も、もっともっと消費者志向になってもらわなくてはいけないのだと思っています。
そうした話をしていくには、少なくとも僕にとってはブログのようなメディアがやっぱり一番都合がいいんです。

えっ?そんな使命感を僕が持つのは余計なお節介だって?
ごめんなさい。もしかしたらそうかもしれない。
でも、そう思わないと、とても続けていけませんよ。こんな大変な作業。(笑)

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