ワンセグケータイは普及するか?(1)
(1月26日 10:00ごろ加筆修正しました)
‥さてさて、モバイルのメディア関係では、ワンセグの普及を疑問視する声が結構多いんですよね。
もちろん、普及の是非はフタを開けてみないとわかりません。
ワンセグが視聴できるエリアは、自宅で地上デジタル放送が視聴できるエリアと理論上はイコールなので(同じ電波ですからね)、実際には、視聴エリアが全国規模に広がるのは2年以上も先の2008年以降となります。
僕はといえば、ワンセグについての個人的オピニオンは明快で、『普及するだろう派』です。
もちろん、どの時期のどの程度で「普及」と言うのかなど、細かく言い出したらキリがないのですが、‥そうですねぇ、ズバリ「一人当たりの普及率をグロスで見たら、おサイフケータイよりも普及するだろう」というのが、現時点での僕のオピニオンです。
今は主として携帯電話への搭載のみがクローズアップされているワンセグですが、実際のところ、ワンセグは別にケータイへの搭載だけとは限りません。現時点では、その普及率の高さから、「便宜上」携帯電話への搭載が第一に考えられているだけであって、今後もワンセグ端末が、かならず携帯電話とセットになっているかどうかはわからない、そう思います。
※ワンセグならNHKの相撲中継だってこのとおり鮮明に視聴できる。相撲のようにお年寄りにとっても「キラーコンテンツ」になるものが、果たして現状の携帯コンテンツの中にどれだけあるだろう?
◎テレビ局もMVNOで参入可能性があることをお忘れなく
たとえば、もしこんな機種が出てきたら?
コンパクトデジカメに、モバイルブロードバンド接続機能とワンセグがミックスした「ワンセグデジカメ」とかね。
撮った写真は、本体メモリカードに保存するだけでなく、ストレージサービスにもアップロードが可能。MVNOにより、ユーザーは、ワンセグのデータ放送からの二次リンク部分などの通信料金、デジカメのストレージ機能を月額固定でいくらか支払う。その代わり、本体価格は現状の携帯電話のように、利用料金によるインセンティブで安価に設定する。などなど‥
‥このような機種が2年後にも出てこないと断言できるでしょうか?
恐らく、ワンセグの普及を予想する上では、現状の携帯キャリアのビジネスモデルだけを見ていては、予測を立てる上での可能性の多くを見落とすことになると考えています。
そもそも今後は、テレビ局自身が「MVNO」となってモバイル通信事業者になる可能性も大いにある上、昨年はTBSがイー・モバイルに対して資本参加も行いました。
テレビ局が資本参加している以上、イー・モバイルは当然ワンセグ端末を出してきますし、また同社は、現時点から既に、MVNOに対しては積極的に自社の免許帯域を開放する旨公言しています。
◎「ケータイユーザー」=「携帯ネットユーザー」ではない
また、ワンセグの普及について議論されるとき、従来から携帯電話に搭載されているネットアクセスの機能との兼ね合いで「ネット接続機能に比べればワンセグは必需品ではないだろう」というオピニオンも結構あるようです。
しかし、これは比較すること自体おかしな指摘です。
過去にも書いている話ですが、携帯電話/PHSユーザーが、すべて携帯ネットのユーザーであるということはまったくありません。
たとえば、auの従量制ケータイ(CDMA2000 1x)のユーザーが1日にネットにアクセスする回数は、平均すると、なんと「1日1回未満」です。2年ほど前にもコラムで書きましたが、携帯電話で本当に「ユニバーサルサービス」と言えるものは、依然として「音声通話」と「携帯メール」ぐらいであって、他のすべての手段は、まだまだ万人が使っているとは言いがたいのです。
‥下記の図は、僕の個人的な仮説で、『携帯ネット利用者』と『ワンセグを視聴する意向のある人』のターゲット層の違いを、大雑把な概念としてグラフ化したものです。
細かい数値に関しては、そもそもこのような統計がこの世にほとんど存在していないため、あくまでも「仮説」に過ぎませんが。
ややこしい説明ですが、よーく読んでくださいね。
要するに、携帯電話/PHSユーザーの総数に比して、携帯ネットをアクティブに使うユーザーは、比率で言えばまだまだ少なく、上図のように、携帯ネットの利用率が高い順から携帯ユーザーを並べると、ワンセグを利用したいと考える層は、恐らく絶対にそれとはイコールにならないだろうという予想を述べています。
たとえば、上の写真のように、現状の携帯コンテンツには「お年寄り向け」はほとんどありません。
また、仮にあったとしても、65歳以上の目の弱ったお年寄りにとって、現状の携帯サイトはあまりにも文字が小さく、とても長時間の利用には耐えません。
また、『ネットアクセスならPCでやる。携帯電話は電話とメールで十分』と考える多くの層にとっても、ワンセグは機能的にはかなりのインセンティブになるのじゃないかと思います。
最近僕はいろいろな層の人々に、自分のワンセグケータイ「W33SA」の画面を見せて、「使ってみたいですか?」と尋ねています。それこそ飲み屋のにーちゃんからヘアサロンの美容師見習いの女の子まで、さまざまな人に尋ねているのですが、中には面白い人がいます。インターネットも携帯ネットもほとんどやらないのに、テレビは好きで、通勤用に現行のアナログTVケータイを持っているという「新橋勤務のOLさん」などもいました。
◎「ワンセグらくらくホン」はキャリア収益にも寄与するのでは?
これは勿論公式のコメントではありませんが、既存の携帯キャリアは、ワンセグの搭載に関しては実はかなり悩んでいたという噂も耳にします。要するに、ワンセグの搭載は、端末コストがかかる割にはキャリアの収益に直接的に寄与するところが少ないということなのでしょう。
NTTドコモがフジテレビに出資したりする裏にも、そうしたワンセグの構造的宿命に対して、少しでも携帯電話キャリアにとって有利な施策をテレビ局から引き出そうという目論見なのかもしれません。
しかし、上図の仮説が、もし事実だとするならば、ワンセグがキャリアによって有利になる手段は「あるかもしれない」と僕は思います。
要するに、今までネットアクセスなどまるでしなかった層にアピールすればいいのじゃないですかと思うんです。ズバリ「ワンセグ搭載のらくらくホン」を出してみるというのも、検討してみる余地があるのじゃないでしょうか。
‥いずれにせよワンセグは、今までの端末の評価軸~高機能なWEB機能やカメラがハイエンドで、最小限の機能のコンパクトなケータイがローエンド~というものとは、まったく異なる基準で搭載の可否を決めていく方が、ワンセグの想定ターゲット層に対して、より効果的にリーチできるのじゃないかと思うことがあります。。
‥さて、ワンセグについては、こうした想定ユーザー層だけでなく、TV局やキャリア、そして既存の携帯コンテンツプロバイダのビジネスモデルを含めて、まだまだ書き足りないことがたくさんあります。
当エントリー「ワンセグケータイは普及するか?」は、「パート1」として、また改めてパート2、パート3も書いてみようかと思います。
「続きも聞かせてくれ」と思ってくださった方は、ぜひblogランキングにをば一票を。(笑)
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