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2006/02/26

Long Tail(ロングテール)とケータイビジネス

ここ10日ほど風邪をこじらせてしまい、絶不調でした。
〆切仕事の悲しさで、高熱を押して都合10P分の原稿を書いたりしているうちに、ますます回復が遅れてしまいました。もともと健康には自信があり、一度も入院経験がないのが数少ない自慢だったのですが、やっぱ過信はいけませんね。反省。

この間もモバイル業界はいろいろ面白いトピックがありましたが、それらとは別に、リハビリも兼ねて以前からつらつらと思っていたことを書いてみます。

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◎またまた登場したマジックワード「Long tail」

最近話題を呼んでいる本、『ウェブ進化論』の売れ行きの伸びに前後するようなかたちで、「web.2.0」とか、この「ロングテール」なる概念が話題になってますね。

正直言うと、わたしゃweb.2.0なる概念とか何度説明を聞いてもよくわからないですし、ロングテールもなるほどそういう意味かと納得はするものの、正直、「何でいまさらそんなことを言うんですか?」という印象だったりもします。
平たく言えば、「万人向け商品・サービスだけでは吸収しきれないコアな需要も、WEBならば取り扱いコストの低減により採算に乗るビジネスにできる」ってことなのでしょうが、そんな話、ニッポンでITバブルが勃興した頃から皆分かっていたはずではなかったのかと。
むしろ、こうした話が何故いまさらWEB業界で俎上に上っているのかという現象の方に興味をそそらられてしまいます。
ロングテールという言葉を初めて使ったのは米Wired誌の編集長だそうですが、web.2.0はともかく、ロングテールに関して言えば、今後の日本でも本当にその通りなのだろうかという気はします。

◎Long tailを提唱する知識人たちはケータイサイトを見たことがあるのか?

こうした米国伝来のキーワードを引用し、「WEBの世界は‥」とひと括りにして語ろうとする知識人たちは、できたら一度はケータイサイトに登録してるコたちのプロフィールを見てみてほしいと思ってしまいます。

僕は仕事の参考も含め、数万~数十万人単位の会員がいるケータイコミュニティサイトに数ヶ所ユーザー登録して、自分もいちユーザーとして参加しています。
しかし、そうしたケータイコミュニティでユーザーたちの定性的な特徴を見ると、「ロングテール」などと口にするのもうすら寒く思えるほど、登録ユーザーの嗜好は驚くほど画一的で驚かされることもしばしばです。

女の子は多くがKAT-TUNなんかのジャニ系好きで、残りの多くはビジュアル系好み、残る3割はヒップホップ系と、加えてそれらとは対極にあるゴスロリorコスプレ系で、ここまでの合計で、体感的にはほぼ8割以上を占めると言ってもいいほど。
そして好きなキャラクターとなると「リラックマorディズニー系」あたりか「ブライス系(いわゆるキモカワイイ系)」に二極化し、それ以外のキャラクターが話題に上ることは驚くほど少ない。
そして驚くなかれ、たとえば「15才」と「32才」という年齢が倍ほど違う女性でも、こうした嗜好はまったく同じであったりするなど、世代ごとの差異すらかなり少なかったりします。引き合いに出して申し訳ないですが、mixiなどの、実に芳醇なユーザープロフィールの個性と比べれば、とても会員数がmixiの10分の1程度はあると信じられないほどに、ひたすら画一的でもあります。
ちなみに、自己紹介の特徴的キーワードとしてもっとも多い言葉は、『姫』、『キラキラ』、『セレブ』、『VIP』
まだ若いのにメンヘラーなコも少なくない。

僕はもう、ケータイサイトでネッカマを演じることができる程度に、その典型的プロファイルを形態模写できるようになってしまいました。(もちろん実際にはやってませんよ)
でも、それは別に全然スゴいことじゃなくって、要するにプロフィールの個性が、あまりにもアマリニモ少ないんですよ。
大体200名ぐらいの登録プロフィールを読めば、全体の推定7~8割ぐらいまでのプロフィールを模写できてしまう。
要するに、まだまだ全然市場のロングテール化どころじゃない、パレートの法則が支配する世界ってわけです。

そしてどうにも不思議なことは、むしろ女性ケータイユーザーよりも男性ケータイユーザーの方が、こんな風にステレオタイプ化するのが難しい気がすること。
一般的には、女性より男性の方が、ライフスタイルのバリエーションって少ないはずななのですが。
とにかくケータイの世界ってやっぱり不思議です。


◎今後、ケータイの世界はロングテール化するのか?

なぜケータイの世界が、PCの世界に比べて、ロングテール化しづらい傾向があるのかについては、いろいろと理由はあるだろうと思います。
仮説レベルも含めてざっと挙げてみても‥

※携帯電話の画面は狭いため、多くの選択肢から選ぶのが苦手
(ケータイではWEBよりもメールの利用が圧倒的に活性している一因はこのあたりでもある)
※携帯電話は、PCに比べて検索サービスが発達していない。
(ゆえに公式サイトやテレビ・雑誌、そしてある程度広告を出しているサイトにユーザーが集中しやすい)
※ケータイの世界は、PCに比べて「ユーザー間のバイラル効果」が発生する仕組みが案外少ない。
(ブログやRSSリーダーのような仕組みが事実上ほとんどない。出会い系は別にしてSNSのような大規模ネットコミュニティが実はほとんどない、など)
※ユーザーがコアなものを志向しだすと、ケータイを『卒業』してPCの世界に行ってしまう傾向がある。
(事実、ケータイコミュニティに飽き足らなさを感じているユーザーほどmixiなどPC側に興味を持つ傾向があります。僕自身何度も「mixiに誘ってくれ」といわれて困った経験があります。また「魔法のiらんど」のようなケータイホムペでも、ホムペ開設者は実は多くがPCを購入して次第にPCの世界へと向かう傾向がある)

‥恐らく他にも理由はいろいろと考えられるでしょう。

いずれにせよ、特に携帯電話専業のCPにとっては、携帯電話コンテンツ/サービス市場の「ロングテール化」は、ひとつの大きな達成課題であろうと思います。
何故ならば、ケータイの世界が結局いつまでもマスマーケティング志向のままであったら、今後遅れて参入してくる既存の大手企業に、資本力においてもコンテンツ資産蓄積やタイアップ力などにおいてもかなわないだろうと思われるからです。

そのためにやらなくてはいけないことは?
恐らく、キャリア、端末メーカー、CP、それぞれに多数あるのじゃないかと思います。

携帯コンテンツのロングテール化についてもっと考えてみたくなった人は、ブログランキングにも一票をば。m(_ _)m

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